荒木高子(1921-2004)は、兵庫県西宮市に生まれ、60年代に渡米しニューヨークで彫刻を学びます。帰国後は京都市立工芸試験所にて陶芸を学び、70年代の後半から彼女の代表的なシリーズである「聖書」の作品群を作り始め、日本陶芸展(最優秀賞)、ファエンツァ国際陶芸展など国際的陶芸コンペにて受賞を重ね、欧米でも高い評価を受けました。
荒木はキリスト教信者ではありませんが、宗教というものは人間の精神の最も切実な表れであるとして、その最たる象徴であるバイブルを陶芸で表現することを生涯にわたるテーマとしました。
稲崎栄利子氏(略歴)の作風もまた極めて繊細なものですが、実に細かな作業の果てしないまでの反復の中で形づくられ、容をもたない土の粒子が集い、自然の流れの中で自らの意を得たかのように姿を現していく様は、荒木の退廃的な美感とはまた違った、有機的生命感に満ち溢れています。
本展におきましては、この二人の大作を中心に展示いたします。 皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
アートフェア東京 2016 Booth:N26 水戸忠交易
荒木高子 左より
「ゴールデンバイブル」 1991年 w27.2×h18.3㎝
「シルバーバイブル」 1991年 w29.2×h17.5㎝
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