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このたび水戸忠交易では、えきのり子・浜野まゆみ・福島晋平、三人の陶芸作家によるうつわ三人展を開催いたします。

えきのり子(山口県生まれ)は、女子美術大学にて産業デザインを専攻、在学中から陶芸を続けていましたが、卒業後、一般企業に勤めたのち更に独学を経て陶芸家を志します。栃木県益子町に移住後、独自のスタイルを追求する中で現在の鋳込み成型を用いた磁器の制作にたどり着きます。

透明感のある爽やかな青白磁や藍鉄釉は、鋳込みによって現れたシャープな曲線と、花や葉など植物をモチーフとした造形の可憐さと調和し、使い心地の良いうつわの表現が目を楽しませます。

浜野まゆみ(埼玉県川越市生まれ)は、初期伊万里と呼ばれる17世紀半ばから後半にかけての有田地方の磁器の様式に基づいた作品の制作と研究を続けています。大学の日本画学科に在籍中より、用途のあるものに絵付けをすることを志向しており、卒業後には有田の窯業学校へ進みます。そのころ初期伊万里の器に触れ、現代のうつわとの手取りの違いに驚き、今では分からなくなってしまっているその「糸切成形」という古い技法を解明してみたいと、以来研究を続けています。

古伊万里は初期から中期へと時代が下るにつれ、絵付けや磁土も洗練されていきますが、浜野は初期伊万里後期のひと時だけに見られた、精製されつくしていない、古い時代の香りを残す素朴な器の味わいを目指しています。日本画科出身ならではの巧みで繊細な絵付けの美しさや、デザインのユニークさにも目を見張るものがあります。

福島晋平は益子町に祖父母の代から続く陶芸の家系に生まれ、金沢美術工芸大学で彫刻を専攻しました。その後益子に戻ると、父の下で陶芸を学び、イギリスのスリップウェアやバーナード・リーチを想起させるようなデザインと、益子の伝統的な技法を用いた日常のうつわを制作しています。代々続くうつわ作りの家で修練された確かな成形技法は、使い手への心くばりが感じられ、絵付けはくすりとさせるようなユーモアと愛らしさがありながら、細筆の末端にまで生命感に満ちた精緻なタッチで目を惹きつけます。

三名三様のうつわをご高覧下さり、手に取って楽しんで頂けましたら幸いです。 
一同心よりご来場をお待ち申し上げております。

会場:水戸忠交易 東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニロビー階  TEL 03-3239-0845

会期:2023年12月8日(金)-17日(日) 11:00 -18:00 会期中無休

*作家在廊日:えき、浜野、福島 12/9(土)終日

*浜野まゆみさんの作品につきまして:当展覧会では組皿類、組のうつわ類と1点ものの花生やお茶碗などの出品を予定しております(銘々皿や小皿類の単品販売は予定しておりません)。具体的な出品内容につきましては恐れ入りますが展覧会初日以降にお尋ねください。(当ウェブページのものは参考作品です。)

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